30分ぐらい経った。


徹は苛立った表情で二階へ上がり


部屋の前に立つと足立と早紀の 楽しげな笑い声に


握りこぶしを作り 部屋の扉を開けた。


追いかけるように桜子も二階へ上がると


「足立・・・悪いが帰ってくれないか・・・」


一瞬 耳を疑うような言葉に 足立も桜子も茫然とした。


「あっ・・・わかったよ」


「アナタ・・・そんな・・・

せっかく来て頂いたのに・・・そんな言い方・・・」


「うるさいっ!お前に何がわかる!

一々 口を挟むな!」


「緑川・・・帰るから・・・

大声 出すなよ・・・桜子さんも早紀ちゃんも

怯えてるじゃないか・・・」


早紀は足立にしがみついた。


「ごめんね・・・早紀ちゃん・・・

また ゆっくり遊んであげるから・・・

お片付けしよっか・・・」


早紀は無言のまま頷いた。


「何が・・・また ゆっくり遊んであげるだ・・・

良い人ぶりやがって・・・」


徹はボソッと呟いた。