束ねて帽子に入れていた
髪の毛がふわっとでてきた


「え、まじで…」


愁っていう人かなり
驚いてる

まぁ髪の毛短い時
よく男の子に間違え
られたから慣れたけど



「ほら、はよ謝れ愁
 行くぞ」


一樹という人は黒い
車に乗ってしまった



「ごめん、悪気はなかった」


私は無言で首を横にふった



「お前名前は?」


「……………」


「高校生か?」


「……………」


「感じ悪いな、お前」





私は再び帽子をかぶり
仕事場へ戻った