「どこ行くの?」
小学4年生の妹が私に聞く。
「さあ~」
適当に返事を返すとお父さんが教えてくれた、「海だよ」と。

そして車を海岸の近くの駐車場に止めて道路を渡るその瞬間だった。
大きな白い車がキィーッと変な音を立ててこっちに向かってくることは誰も気づいていなかった。
ドンッと鈍い音を立てはね飛ばされたのは私ではなくてお父さんとお母さんだった。
ぶつかった瞬間にその白い車は真っ赤な血の色に染まった。