その瞬間に涙がこぼれた。
今まで溜め込んでいたものが全て吹き飛ばされた気がした。
「あり…がと…ね」
声にならない声で小さく言うと抱きしめてくれた。
「帰るか」
「うん」
「おまえんちまで送るよ。もう九時だしさ・・・」
「えっ、もうそんな時間?あっ、海に会いにいかなきゃ・・・」
「俺も行くよ」
そうして、病院につき海の病室に行った。
「海・・・。大事な人連れてきたよ」
「こんにちは。圭太って言うんだ」
「ねえ海・・・海はいつになったら笑ってくれる?もう海も小6だよ?時間って早いね。海、ごめん、今日はもう帰るね・・・」
「バイバイ、海ちゃん」
―――そうして、私たちは家に帰った。