男友達-anotherstory-

進路決まってないの私ぐらいだよな...

そんなことを思っていたらだんだん不安になって、夜も眠れないことが多くなった。


「おい瑞穂、目の下くますごいぞ?寝てるのか?」


毎朝会う大樹にはやはりわかってしまう。
あんまり心配はかけたくないんだけど...

「うん、ちょっとね...」


もういっそ、選択肢が一つだけだったらいいのに。

いや、一応決まってはいるんだ。
朝比奈高校
大樹の志望校と同じ。

一緒がいいなんて言えないよなぁ...


ここ三ヶ月間。
ちゃんと言いたいことは言ってきた。
喧嘩もした。

でもこの志望校ばっかりは言えない。

拒絶されるのが怖いから。


「瑞穂、悩んでることあったらちゃんと言えよ?倒れるぞー」


大樹は私のほっぺをつんつんしながらへらっと笑う。


まだ言わない。
まだ拒絶されたくない。