男友達-anotherstory-

「もうすぐ期末だね...」

学校の外に出ると外は秋色になりはじめていた。

少し冷える。


制服もとっくに冬服だ。


「そうだな...
受験生だもんな...やんなきゃな」


〝受験生〟


私達は受験生だ。


これから勉強の時間でお互いに会えなくなっていくだろう。

それに...
高校だって...

あ、高校


「大樹、高校さ、どこの推薦狙ってるの?」

公立高校というのは聞いたけど詳しい名前は聞いたことがない。

「あー、朝比奈高校かな。」


朝比奈高校

聞いたことある。


「確か、サッカー強いんだよね?」

「うん。学力はそこまでなんだけど運動部全般が強いんだ。」


大樹は高校に行ってもサッカーを続けるんだ。
やりたいことがあるんだ。

「瑞穂は?」

大樹はにこりと笑って聞いてきた。


「私は...」


私は...?
やりたいこと...なんだろ。


「私は...まだ決まってないかなぁ」


「...そっか!大丈夫かよ!そろそろ決めろよー!
瑞穂なら選択肢いっぱいあるんだろー」


あれ。



大樹...




俺と一緒の高校になろうって言わなかったな...