男友達-anotherstory-

そのあと大樹は課題を必死にやって職員室に出した。

「よくできたねー!」

私は大樹の頭をわしゃわしゃした。

大樹の髪の毛は夏よりも少し伸びていて触り心地がいい。
毛質が良すぎて...

「おい、俺を子供扱いするな!帰るぞ」


ちょっと大樹はふてくされて。
だけど照れくさそうに左手を私に差し出した。

帰るときには手をつないで帰る。
それはもう2人の中で当たり前となっていた。

「うんっ、帰ろ!」


私は自分の右手を大樹の左手に重ねた。
絡む指。

いわゆる〝恋人つなぎ〟

最初はすごく恥ずかしかったけど今じゃ当たり前。

時間が過ぎていく事に当たり前が増えていく。

少しずつ、少しずつ進んでいるのだと感じる。