桜と躑躅

矛盾だとても、私はもし死ぬなら最後にあの人と話をしたかった。なんでなんてわからない。だから死にたくなかった。

蒼君が手を伸ばしてくる。
でも、私はそれを手で払う…
「!!?」
払えなかった…手がすり抜けてしまったのだ。それに驚いて自分の手を見ると透けていた。透けて畳が見えた。
頭痛は激しくなるばかり、私はそう君が伸ばしてくれた手を払ってしまったけれど、どうしても助けて欲しくて、彼に手を伸ばす。
「そう…くん!助け…」
そう君は再度手を出してくれたのにそれをつかめず、またすり抜けた。
(嫌だよぉ。)
するとふわっと、景色が真っ白になった。意識が無くなる感覚を感じた。