桜と躑躅

「す、すみません。」
私がぶつかったのは硬いものみたいでゴンッとおでこが音を鳴らす。それをさすりながら顔をあげると、それは男の人で身に付けていたのは…
(浅葱色…)
「俺は大丈夫だけど、あんたは?」
その身に付けていたのは浅葱色にだんだら模様の羽織だった。
「新撰組……。」
「?あんた、俺らの事知ってるのか?」
「は、はい。その…少しだけですが。」
「そうなのか?でもにげねぇって事は…。」
そう会話すると新撰組の人は私の腕をとって走り出した。
「ち、ちょっと!!」
「俺らの事警戒してないってことだよな。それならあんたに決めた。」
「え、どう言うことですか!!あなたは誰ですか!」
新撰組の人は振り返ってニッと笑った。

「俺は、新撰組八番隊隊長 藤堂平助だ。」