「うっ…」
私が目を覚ましたのはあれからどれくらい経ったくらいだろうか…目を開けるとそこにいた。
『きがついたのね。』
私は起き上がりながら、声のする方をみた。
「あなた…は？」
そこには人の姿なのに、瞳が赤く、髪が白桃色の女の人がいた。

『私は雪花(セッカ)ごめんなさいね、時間があまりないから、要件だけ言わせていただくわ。』
雪花さんは、私の隣に座り話し始めた。
私もそれに合わせて、正座をする。
『貴方は、私の子孫なの。それで貴方には助けて欲しい人がいるの。私が助けてあげられなかった人を…そのために過去に行ってもらいたいの。あ、現世の貴方のことは気にしなくても大丈夫。私の分身が代わりに授業を受けるから。」
いきなりいろんなことを言われ過ぎて、頭の中がゴチャゴチャになる。
「り、理解不能です。なんなんですか。私は貴方の子孫？ということは貴方は先祖？」
『そのとおり。理解してるじゃない。』
雪花さんは、ふっと笑って言った。

『まぁ、それだけ。早速だけどもう行ってもらいたいの。』
んな無茶苦茶な…。
そんなことも思わせないくらい、雪花さんはせかせかと話す。
でも、どうしてもそれを断ろうとは思えずついコクっと頷いてしまった。
「わかりました。」
それを聞くと、雪花さんは明るい顔になり私を抱きしめた。
『ありがとう！！』
「うわ！！？」
『あ、貴方の木刀…渡しておくわね。』
そう言って渡されたのは、私がいつも使っている木刀の桜(サクラ)だった。
「私の…。」
『これからのことはおいおいわかると思うから。』
そう言って雪花さんは立ち上がって、歩き出してしまった。

「あ、待ってください！まっ…！？」
私は声をあげて止めようとすると、また意識が飛んだ。