今日も朝から雨が降っている。


6月の雨は憂鬱になる奴が多いんだろう。


街に出ると険しい顔をして歩いてく奴ばかりだ。



俺は嫌いじゃない。


自分の心の中を見ているような気がしたから。



暗闇から抜け出せない。


何もかも見透かされてる。


雨は俺に未来なんかないって言ってる。


「…そうだろ?」


俺は空を見上げた。


そこにはグレーな雲と空が広がっていてコンクリートを雨で濡らしてく。


それを見ながら短くなった煙草を捨て歩き出した。