約束したから。

百合亜said

新井から言われた言葉に腹がたって
私は、自動販売機に向かう事にした。

「百合亜、はぁはぁ。まってよ！」

ほんとに、ひつこい。この女。

今まで数々のマネージャーがいた。
全員、私が冷たい態度をとると
いつのまにか新しいマネージャーに
変わっていた。
この女の時もそうだ。

けど、この女は周りのマネージャーとは
違った。粘り強くついてくる。

この女は特殊すぎる。

「百合亜！！楽屋で待ってて？
私が飲み物買って持ってくから！」

この女は、こんなに冷たい態度を
とっているのに、優しくしてくれる。
気がおかしくなりそうだ。

「う、うん。」

そう言って、楽屋に戻る事にした。
一瞬、新井の顔が驚いているように見えたのは気のせいだろうか。

楽屋にもどる廊下を歩いていると、
ドンっ！
「いったぁぁ！」
曲がる所で誰かにぶつかり、転んで
しまった。


「ちょっと！痛いじゃないの！
どこ見てんのよ！ バカじゃないの！」

そう言って、顔をあげると

やばいー…

「口が悪い女だな。百合亜さん？」

以前、ドラマで共演した事がある
有名俳優の
林 悠馬(はやしゆうま)
だった。

「あ、悠馬さん？♡ごめんなさいね、前を見ていなくてぇ！」

「おい、まだ演じてんのか？」