このタワーマンションの最上階24回に
ルイの一人暮らしの部屋がある。

二人は長いエレベーターを上がり
部屋のドアを開けた。

『上がって~』

拓也を部屋へ案内した。

拓也はオドオドしはじめる。

『どうしたの?』

『お、お前って』

『え?』

『金持ちなのか??』

『ええ??なんで?』

『何でってこの家………』

ルイにはわからなかった。
どの規模の家が普通で何処からが金持ちか

だが、そういうことだろうと思い
連れてきたことを後悔した。

『すげー!!こっちも見ていいか??』

『え?うん構わないよ?』

拓也は、ルイの想像していたものと違い
変わらず拓也のままだった。

いつものように子供のようにはしゃいでいる。

だが、問題はそこではない。

ルイ自信が拓也を信じれるかどうかが
問題なのだ。

『ルイー!』

遠くから声がした。

『何ぃー?』

『お前の親父やっぱイケメンだなー。』

『え?』

嫌な予感がした。

『……つーきーやーまーー!』

『おや、お帰りルイ?』

月山は父親のように呼び掛けた。

『つきやま?』

『あ、あー』

しまった!


『私ね、今度築山(つきやま)に登るんですよー。ルイは、早く支度すませろっていってるんだよね?』

『なんだそれ~』