臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)

 嫌味ともとれる発言に、男達はますます小さくなっていった。

 ただ映画の上映が始まると、四人共見たかった映画だったのでご満悦だったようだ。


 ファーストフードの店で遅めの昼食をとった四人だったが、綾香が口を開く。

「これからゲーセンに行く前に、買い物を先にしようか迷ってんだけど……」

「私はどっちでもいいけど……君達は?」

「俺達だってどっちでもいいよなぁ。康平もそうだろ?」

「あぁ、そうだな」

「じゃあ買い物を先に済ませるよ。でも、女の買い物って長いから覚悟しといてね」


 近くの百円ショップで買い物を始めた四人。……だが康平は脱落しかけている。


 今日の朝、四時に起きて走ったのが今になって響いてきたようだ。会話に合わせながら、二回眠りそうになる。


 健太は映画を見てから立ち直ったのか、調子よく買い物に付き合っていた。