「それは置いといて、これから図書館へ行くんだったら今オニギリ作ってあげるからね」
母親が台所に走っていった。
ボクシング部に入った頃はあまり賛成していなかったが、休みの日に図書館へ勉強をしに行く康平を見て、最近は何気に協力的になっていた。
「昨日の電話は女の子でしょ? 一緒に勉強してるようね。何なら家に遊びに連れて来なさいよ」
康平は慌てて言い返す。
「そ、そんなんじゃないよ」
「家の電話、居間の傍だから結構筒抜けなのよね。……会話を聞かれたくなかったら、次のテストの成績を二十番以上あげなさい。そしたら携帯買ってあげるから」
「ホントだな? 必ず買ってよね!」
「お父さんにも言っておくからね。但し成績が上がったらの話よ」
携帯電話は、亜樹の他にクラスメートも持っていた。今の康平にとって、それは人気ゲームよりも欲しいアイテムだった。
急に勉強意欲が湧いた康平は、急いで図書館へ向かった。
母親が台所に走っていった。
ボクシング部に入った頃はあまり賛成していなかったが、休みの日に図書館へ勉強をしに行く康平を見て、最近は何気に協力的になっていた。
「昨日の電話は女の子でしょ? 一緒に勉強してるようね。何なら家に遊びに連れて来なさいよ」
康平は慌てて言い返す。
「そ、そんなんじゃないよ」
「家の電話、居間の傍だから結構筒抜けなのよね。……会話を聞かれたくなかったら、次のテストの成績を二十番以上あげなさい。そしたら携帯買ってあげるから」
「ホントだな? 必ず買ってよね!」
「お父さんにも言っておくからね。但し成績が上がったらの話よ」
携帯電話は、亜樹の他にクラスメートも持っていた。今の康平にとって、それは人気ゲームよりも欲しいアイテムだった。
急に勉強意欲が湧いた康平は、急いで図書館へ向かった。


