臆病者達のボクシング奮闘記(第一話)

 康平は亜樹との電話の後、健太に電話をしたが彼はすぐに了解した。



 次の日の朝、康平はいつも通りに朝四時に起きる。

 どちらかというとオットリしている康平だが、昨日のスパーリングで、自分だけが最後まで出来なかった事が悔しかったようだ。

 普段なら約五キロのジョギングなのだが、この日は七キロまで距離を延ばしていた。


 午後三時から部活だが、まだタップリ時間があるのでどうしようかと康平は迷う。

 康平は夏休みになってから、部活と図書館での勉強が主な日課になってしまっていた。何もやる事が思い付かず、結局いつもの図書館へ行く事にした。


 玄関で康平が靴を履こうとした時、お風呂場の洗濯機から母親が走ってきた。

「康平、チョット待ちなさい。今日は用事があって、図書館には行かないんじゃないの?」

「え、何で知ってんのさ?」