亜樹は成績票をチラっと見たが、それを手にする事なく康平に言った。

「何わざとらしく成績表を置いてんの?」

「ん? あ、亜樹が見たいかと思ってさ」

「結局どうだったの? 成績は上がったの?」

「中間テストの時より上がったよ」

「私のノートまで見せてあげたんだから当たり前でしょ!」


 ずっと成績を教えなかった康平に、亜樹はご機嫌斜めだったようだ。

 本当に亜樹が心を開いているか、疑いたくなる康平だった。