失 楽 園




いつだって

「やめて」「酷い」

か弱い女みたいに
口先だけの恭ちゃん。

だから私は、弟が実は、
私が虐待されることを喜んで
傍観しているのではないか、と
思ったのだ。

 だがそれは杞憂に終わった。

恭ちゃんが両親を止めないのも、
ただ黙って私の手当てをすることも、
全ては私をあの家から
私を逃がさない為の、
無意識下での策略だったのだ――……。