「運転手さんも、ありがとうございました。 いっぱい俺らの行きたいとこ連れてってもらって」 「ありがとうございましたっ」 「そんなお礼なんていいよ。 これが仕事だからね、でも楽しかったよ」 運転手さんはバックミラー越しに微笑んでくれて、あたしと颯也くんも笑顔を返した。 それからホテルについて、運転手さんとは別れた。 「あ、愛華ちゃん!」 タクシーを見送ってホテルに入ろうとしたら、聞き覚えのある声に呼ばれた。 声のするほうには絢斗先生と並んでこっちに歩いてくる桃香ちゃん。