ブルッと身震いするあたしに気づいた颯也くん。 「えっと嫌かもしんないけど、あったかいと思うから」 なにが……? と思ったときには、あたしの右手は颯也くんの左手の中にすっぽり収まってた。 颯也くんも寒いのか手はちょっと冷たいけど、じんわり温かさが伝わってくる。 「嫌なんかじゃないよ……あったかい」 「なら良かった。しばらくこのままで我慢してね」 我慢してね、なんて。それはこっちのセリフだよ? 学校の王子様みたいな颯也くんが、あたしなんかと手をつないでくれてる。