「ん? いーよ。どこ行きたいの?」 「なーいしょ! 運転手さん、さっきのとこお願いします」 「もちろんだよ。おじさんは車で待ってるからね」 ニッコリと人懐っこい笑顔を向けてくれた運転手さん。 ゆっくりと車が発進して、あたしたちをその場へと運んでいく。 実はさっき、颯也くんがトイレに行ってる間に運転手さんに聞いたんだ。 『紅葉がキレイで静かなとこありませんか?』 ってね。そしたら、運転手さんが「ある」って言うから連れていってもらうことにした。