景色に夢中になっていると、運転手さんは楽しそうに言う。 バッと振り向けば人の良さそうな笑顔でニコニコ。 ど、どうしようっ! 撮りたいけど颯也くん迷惑とか思わないかな!? 「いんスか? お願いします」 颯也くんはニコニコで運転手さんにスマホを差し出す。 「ここ押したら撮れるんで」 丁寧に説明までつけて。 「彼女さんはいいのかな?」 あ、あたし!? いきなりあたしにまわってきて、ちょっとテンパる。