「なら一緒に行きません? ほら、俺たち京都のこと全然知らないし……ね? 愛華ちゃん」 颯也くんが言ったことに運転手さんは「いいのかなぁ」なんて言って苦笑い。 「一緒に来てくださいよっ」 2人っきりじゃないのはちょっと残念だけど、京都のこと知らないのも事実。 それに、あたしたちが見てる間待ってるだけもつまんないもんね? 「うーん、なら行こうかな。 邪魔だったら行ってね、タクシー戻るから」 冗談ぽく言って笑う運転手さんに、あたしと颯也くんも顔を見合わせて笑った。