「颯也くんがいいなら……一緒にまわってくださいっ」 「いーよ! 行こっか?」 そう言って立ち上がった彼は、あたしに手を差し出す。 こ、これは手つなぐってこと……? 心臓がバクバクうるさい中、あたしも立ち上がってそっとその手をにぎる。 あったかい……それに、ちょっとゴツゴツしてる。 「大丈夫? さむくない?」 「大丈夫! 颯也くんこそ、さむくない?」