「湯野さん、桃香ちゃんたちと回らないの?」 気づいたら颯也くがあたしの横にたってた。 その顔は心配そうで、やっぱり優しいよ……颯也くん。 「桃香ちゃんたちは、彼氏と回るらしいから」 ホテルのロビーにあるソファーに2人で腰掛ける。 「へぇ……湯野さんは? 京都巡り行かないの?」 どうしよう……。行く人いないなんて、言えないよ……っ。 颯也くんに“友だちいないんだ”って思ってほしくない。