そんなことを考えていたとき、誰かに呼ばれた。 「えっ……そ、颯也くんっ!?」 振り向いて驚いたなんてものじゃない。ビックリしすぎて固まってしまう。 「湯野さんは京都巡り行かないの? 桃香ちゃんたちは?」 「……っ。 ちょっとね。颯也くんはなんでホテルに?」 いいなぁ、桃香ちゃん。颯也くんに名前で呼ばれてて……。 「忘れ物したから取りに来たんだけど……」