お昼過ぎなこともあって、普通の町並みだ。 「晩飯って19時からだったよな。今14時過ぎだからめっちゃ桃香といれんじゃん」 ラッキーと呟き、あたしを後ろから抱きしめる絢斗。 トクトクと一定の音で聞こえてくる絢斗の心臓の音。 それに、絢斗からする絢斗の匂い。 「修学旅行、楽しもうな。 勉強の息抜きにもなるじゃん?」 抱きしめたまま話す絢斗。だからあたしも、そのまま話す。 「うん。卒業したら、絢斗と別々になっちゃう……」