立川一律学院。





ここは、お金持ちが沢山いる学校。





『いってらっしゃいませ、お嬢様。律様』





「橘、ありがとう」





「橘さん、ありがとうございます」





『いえ、仕事ですので、
お気になさらないで下さい。』




「律、行くよ」





私の隣にいる幼馴染みの律、神宮寺律は





私の専属の運転手の橘に挨拶をして、





先に歩き始めていた私の隣にやってきた。





「だめだよ?
雨生、ちゃんと橘さんに感謝しなきゃ」





「わかってるよ、」





橘は、私が物心付く頃から隣にいた。





それは、律もだけど。





律は茶道の家元の息子。






茶道の家元なんて言っちゃうと、





厳しそうなイメージがあるけど、





律のお父さんの、
弦おじさんはとても優しい。





うちの、親なんて厳し過ぎるから‥





羨ましいんだ。






「雨生、はやくー!」





「あ、ごめん」





そう言って、私は走りだした__