あれは確か……冬景色の図書館にある風景。



遠くから見ても、背伸びをしながら歩いてゆく姿が見られた。



……ちっちゃな女の子。


「あー、転びそう~っ」


くにゃん!って転んだ彼女を、



「……天然ドジっ子かよ~あーあ!」



なんて、意地悪な呟き。……マジごめん。



助けなかったな。
……悪かった。



すぐに立ち上がれ無かったよな。
……本当に、ごめんな。


今度は、手を伸ばそう。……変わらない今も。



いいや、伝え続けよう。


握り締めた手のひらは、彼女へと開けるかな?



不器用な僕たちの淡い、恋物語。