相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 善明は後ろでそのことについては伝えていなかった事を思い出したが、口に出さなかった。
「まあ、あの子は私の次くらいに可愛いって言われるけど、正真正銘の男よ」
「・・・まあそれはいいや。それよりあの子を止めないと」
「だ・か・ら、私に命令しないでーーーーー!!!」
 ブリキ姫は手足をバタバタさせ、もはや聞く耳などもっておらず、矢子は善明に駆け寄った。
「ねえどうしよう?どうしたらいい?」
「どうしたらいいって言ったって。ショウとロンは消せるよね?」
「それはすぐに出来るよ」
「でも、今はショウとロンのおかげでオレたちに被害が及ばないけど、消したらどうなるか」
「そうだよね・・・。あの速さで当たったら、ケガどころの騒ぎではすまないし」
「逃げる?」
 本音を言えばその最善策に乗りたいところであるが、矢子としてはブリキのおもちゃとついでにブリキ姫の暴走を止めたい気持ちになっていた。