相沢矢子の『旧約魔法』レポート

　と、突然二人の前におよそ学校には似つかない一人の人物が近づいてきた。
　その人物は何故か全身青い服を着ており、顔は帽子を被っていてハッキリしない。
　唯一わかることはその人物が肩にかけていたカバンが郵便局のマークである〒が付いていた。
　何だあの人？
　善明は身体に力が入り、来るな来るなと祈った。
　だが、その人物は何の迷いもなく矢子に近づき、〒マークの入ったカバンから一通の手紙を出した。
　また、その人物は手紙とは別の紙とペンを出し、矢子は先に紙の方にサイン。　その後手紙を受け取るとその人物は一言も喋らないまま、その場を後に。
「一体何だったんだ？」
　ことの自体を飲み込めない善明。
　一方、慣れた様子で手紙を開けた矢子は手紙を破った。
　手紙の中からは一通の便箋とコンサートとかで使うペンライトらしきものが入っていた。
　矢子は入っていた便箋を確認した後、便箋を再び封筒の中へ。