「それを言うなら、ここに泊まっているのもじゃない?」
「・・・まとめてお金払うもん」
 何となく言いくるめられた感が残る矢子はふくれっ面になり、善明はそれを見て笑った。
「朝はパンでよろしいでしょうかお嬢様?」
「え?あ、あ、えっと、パンケーキの方が、よろしくって・・よ」
「誠に申し訳ございませんお嬢様。最近お嬢様の体重が1.7kgほど増加していますゆえ、そのような高カロリーはお控えになられた方が・・・」
「何でそのことを!?乙女の純情をけがす何てクビよ!!」
 く、くくくく。
 朝からわけのわからない会話に笑ってしまう善明。
 ぷっ。
 矢子もつられて笑ってしまい、昨日のことがなかったように笑顔が見えた。
 その後二人は朝食を食べ終えると、使った食器を水につけ、特にすることもないまま、マーベラーの来るのを待つ。
 けれども、どれだけ待ってもマーベラーが来るような気配はなく、時間は昼近くに。