相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「悪いね。相手の情報が少なすぎて、全て憶測になっちゃって。相手がわからない以上用心しないと」
 善明を先頭にこの巨大な時計台の扉に手を伸ばし、ゆっくりとドアのノブを回すのであった。


 時計台の中は先ほどの図書館や町長の家のように窓がない。そのため、入ってきた入り口の光を除いて真っ暗。
 ここに来てからずっと使っていたペンライトの光でも、この闇の中を歩くのは困難。
 明かり明かり。
 壁伝いに善明は壁をダンダンと叩きながら電気のスイッチを探す。と、電気のスイッチを触れた途端、時計台の中に光が現れた。
 電気がついたその場所は何やら摩訶不思議な機械が無数にあり、キチンと手入れされている。
「これが霧発生装置?」
「どうかな?確かに大きさだけみたらそうかもしれないけど。どれどれ」
 機械に手を触れる善明。
 機械は少なくともさっきまで使っていたような熱さはなく、ひんやりと冷たい。