相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「どうしてそんなことがわかるの？」
　善明との顔の距離を更に近づけ、善明は思わずドキっとしたが、払いをし誤魔化す。
「まず絵はソワールさんやシュタインさんでは発見することが出来なかった。だから旧約魔法が使える矢子に依頼したんだよ」
　善明の顔は更に近づき、矢子も先ほどの善明と同様にドキっとしたが、咳払いで誤魔化した。
「次に霧除去装置だけど、この霧が消えてないってことはまだ時間を要するってことはわかる？」
「それくらいなら私にも」
　とは言った矢子だったが、本当は頭が混乱してかついていけてなかった。
「マーベラーさんがオレらを帰したかはわからないけど、いつ完成するかわからない装置を待つより機械を見つけた方が早いよね？」
「まあそうだけど、別に時間をかけても問題ない気がするけど？」
「時間がかかり過ぎたら持ち逃げされるかもしれないだろう？」
「そうか！考えたらそうだね」