相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 これまでの一部始終を善明は事細かに伝え、時折質疑応答もありながら、マーベラーは全てを理解。
『すると旧約魔法の相沢さんでしたっけ?彼女が何者かに襲われたということか』
「マーベラーさん、心当たりあります?気弱そうで、そう!爪を噛むクセがあるような人」
 矢子がマーベラーの絵の前に立って聞くことに。
『わからないな。すまない』
「そうですか・・・、あの、霧発生装置が見つからなかったのですが、どうします?あれを何とかしないとこの街が」
『それには心配に及ばないよ。ソワール氏とシュタイン氏が地下で、霧除去装置を作っているから』
 だから返事がなかったんだな。
 一人納得した矢子はうんうん軽く頷き、気になっていたことは解消をするのであった。
『トーマス氏は装置が完成するまでウチにいるといい。相沢さんとその付き添いの子、ご苦労様。私の要件は済んだからお帰りなって構わないよ』