ペンライトを使い、ガーダーン美術館に戻った三人は、美術館の扉を開けて中に入った。
 声を掛けてもソワールやシュタインは現れる様子がなく、三人は本来の依頼者である絵のところに。
 矢子は左に町長のところにあった部屋の絵をかけると青年の絵が描かれている方からの声が。
『どうやら取り戻してくれたようだね』
「うわ!絵が喋った」
 雄叫びに近いような大声を出すトーマス。矢子や善明を始めて、飾ってある絵も飛び上がるくらいの迫力。
『その声は町長のトーマス氏』
「うん?どうしてワシの名を・・・、もしかして君はマーベラーかい?」
『ああ。まさか君が絵を持っていくとは』
「ワシはもらっただけだ。なあ、なあ」
 トーマスは善明に確認をするかのように尋ね、善明はトーマスの代わりに代弁を勤めた。
「マーベラーさん、トーマスさんは誰かにいただいたようです」
『その声は旧約魔法士の子と一緒にいた子か。それは本当かい?』