トンタンタンタンタン。
 慎重に二階へと上がった矢子。
 部屋はたくさんあり、これを一つ一つ調べるのかと思うと考えたら、気が重くなる。
 まあゆっくりやろう。
 矢子はペンライトの光を頼りに階段から一番近い部屋へ。部屋のドアを開けると中はベッドがあり、ホコリがあること以外は綺麗にされている。
 ここは違うかな。
 矢子は部屋に入って調べようとせずに次の部屋へ。その後も同じようにざっと見渡す感じで異常がないか調べた。
 ここも異常なし。
 二階にある全部屋を10分ほどで一通り見終えたが、役に立つようなものはまだ見つかっていない。
「仕方ない」
 矢子は渡り廊下でスマートフォンを起動させ、旧約魔法で誰かいるか調べようと目の前には先に引っ掛けるものがついた長い棒が。
 その棒を何気なしに手で掴み、上に何かないかと見てみると、天井に取っ手のようなものがあった。