家には光がなく、外からの霧に覆われたところからの光を頼りに善明は一番近い部屋のドアを開けた。
 ガチャ、ギィーーーー。
 その部屋は掃除道具や日用品を収納している収納部屋でキチンと整理されていることもあって、見たところ変わったところがない。
「すいません〜どなたかいますか?」
 しかし、当然この部屋から声や何かが動く気配はなく、時間だけが虚しく過ぎ去っていく。
 誰かが隠れているかもしれないと、扉を一度閉めて少し時間を置いて勢いよく扉を開けた。
 ・・・やっぱり誰も隠れてないか。
 善明はその部屋の扉をゆっくりと閉め、次の部屋へと歩を進めた。
 次の部屋の扉を開けると今度は寝室なのか、部屋にはベッドやテーブルやイスなどがあり、よく見ると化粧台も見に入る。
「失礼します〜〜」
 中は綺麗に整理整頓されており、特段目立ったものは見受けられず、変わった仕掛けもなさそう。