相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 しかし、同時に矢子をこのままほっておきたくない気持ちも生まれていて、正直迷っていた。
 仕方ないなるようになれ。
 光の帯を掴む手と逆の手を掴み、二人はフワッと空に浮かふが、何とも頼りない動きでスピードも歩くより少し速いくらい。
 けれども、空を飛ぶという初めての経験に善明の心はウキウキと心が踊っていた。
 それからその光の帯はある場所へとゆっくりと降り立ち、矢子が光の帯から手を離すとそれはスーッと消滅。
 二人が着いたその場所はそれは先ほど訪ねた町長の家で、善明は思わず驚愕した?
「ここでいいの?」
「旧約魔法を信じなさい」
 失礼します〜。
 二人は扉を開け、町長の家の中へ。
 家の中は外よりは幾分かマシではあるが、ホコリが辺りに充満していて、窓も最近開けていないせいか空気も悪い。
 しかも、電気が通っていないのか、スイッチを押すが電気はつかず、家全体が暗い。