相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「それに安全を考えると二人で行動した方がいいよ」
「そうだね。私も一人はちよっとね」
「なら問題はどこを調べるかだけど」
「あっそうだ！旧約魔法を試してみる」
「旧約魔法を？」
　矢子はスマートフォンを出して何やら操作を始め、右手は手のひらを空に向け、左にはスマートフォン。
　ミチビキノ書
　第三章一節：光の帯が我らを案内し、第三章第二節：光の帯を掴みし者、第三章七節：地に足をつけぬまま目的の場所へ。
　すると矢子の右手から魔法陣が浮かび上がり、その魔法陣から光る帯が出現。
　呆気にとられた善明はカメラで撮影するのを忘れ、その場に立ち尽くすことしか出来ない。
「早く私に捕まって」
「矢、矢子。矢子って本当に人間？もしかして魔女の末裔とか？」
「さあどうだか〜。怖いなら帰る？」
「・・・・・」
　不敵な笑いを見せる矢子に善明は今すぐ帰りたいと思ってしまうのであった。