相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「わかりました。私たちに任せてください」
　善明の方に振り向いた矢子。
　ソワールは矢子に近づき、霧より濃いであろうその化粧の顔で迫る。
「相沢さん、どうか私の作った装置を止めてください。もし止めらないようでしたら、破壊されても構わないので」
「は、はい・・・、わかりました」
　矢子はソワールの気迫に押され、思わず後ろに後ずさり。
「矢子、それじゃあ行こうか？」
　矢子の肩を持った善明は助け舟を出すのであった。
「あ、うん、そうだね。それじゃあ行ってきます」
　ソワールから逃げるように美術館を抜ける矢子と何やらスクープが撮れる気がした善明は美術館を後にするのであった。


　美術館を出ると外は相変わらずの霧で、どことなく霧の濃さは増しているようだ。
「ねえ善明それでどこ探すの？」
「それなんだよな。どうしよう？」
「この街結構広いから二手に分かれたいけどペンライトは一つだし」