相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 小川の指さしたその人物は、前にこの学校の文化祭で美人コンテストに優勝した女性が写っていた。
 因みに村上もこのコンテストに出たが、小川の一票のみ。
「この子を取材して来てよ」
「え?何故?」
「実はこの記事、まあなんだ・・・・・」
 ばつが悪そうに口をムズムズさせる小川を見た善明は、ハァーと大きなため息を吐いた。
「捏造ですか?」
「捏造とはなんだ捏造とは」
 小川は机をバーンと叩いて立ち上がり、机にあった学級新聞にシワが出来た。
「いいから取材して来い。終わるまで戻ってくるなよ!!!」
 あ、部長。
 小川は部室にあるカメラや取材に使う道具一式を善明に押し付け、追いやるように部室の外に。


 しばらく愕然とした善明であったが、また部室に入っても小川と押し問答が再開されるだけ。
 やれやれと思いつつ、部室から走れば2分とかからない距離にある自分のクラスがある教室へ。