相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 と、ようやく撮影を終えた善明が二人の元へ合流。
「つまり犯人がいるとしたら、この絵の価値を知らない人ってことですかね?」
「え、は、はい。えっと〜お名前は・・・」
「佐野善明ですマダム」
「私はまだマドモアゼルです!!!!!」
 ソワールの大声が美術館中に響き、その声で我に返ったソワールはコホンっと咳払い。
「と、とにかく絵の捜索をお願いします。必要なものがございましたら、執事に何なりと」
 そういい残すと、ソワールは恥ずかしさのあまり奥にそそくさと退散。
「あ〜びっくりした。あんなに怒らなくてもいいじゃない」
「もう〜、あれは善明が悪いよ」
「悪い?どうして?」
「・・・いやいい。それで今から私が旧約魔法を」
「さっき言っていたやつね。結局旧約魔法って何?」
「旧約魔法はね、紀元前からある魔法で発祥はあの・・・」
「いやそれはいい。論より証拠、ぜひ見せてよ」