相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 飾っていた絵は、真ん中と右側。
 右側に飾ってある絵は小さな家の前に一人の青年がいる絵で、その青年は心なしか悲しそうな顔。
 真ん中に飾ってある絵は、どこかの森みたいなところで真ん中には切り株があり、周りには動物が。
 しかし、この動物もどこか悲しげな様子。
「実はこの絵、真夜中に動いてこの絵の青年ともう一枚に書かれた女性が真ん中の絵に移動して仲良くデートするんです」
「絵が動く?」
 半信半疑の矢子。
 が、ソワールがウソをついている様子は微塵もなく、逆に自信満々な表情をしている。
 絵が動くね〜。
 まだ疑問を持つ矢子だったが、とりあえずソワールの話を信じることにし、話は更に。
「それで犯人に心当たりは?そんな珍しい絵なら盗まれたという可能性も」
「仮に盗むなら三枚一緒に持っていかない」
 この絵は女性でも三枚まとめて持っていけるほどの大きさしかなかったので、矢子もそれに納得。