相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 それどころか、善明は何をどうしたらいいのかわからなくなっている。
「久しぶり。矢・・・相沢さん」
「矢子でいいよ。さっきはその・・・急だったんで・・・ね」
 どこかぎこちない二人の会話は一向に進まず、会話よりも沈黙の方が時間が長い。
「よ、善明・・・何か用があったんでしょう?」
「その・・・大変言いにくいんだけど、・・・・・取材をね」
「取材?何だそんなことか」
「そんなことって。こっちは一大事なんだけど」
「怒らない怒らない。でも、ガーダーンで取材しなかった?」
「インタビューはしてないし、ガーダーンでの写真は一枚も使えなくって・・・」
 ガーダーンでの出来事を思い出してみりと、確かに取材という取材はなかったように思えた。
 それどころか大半は善明が依頼を片付けていたこともあり、他に時間を使えるはずもない。
「これから時間取れない?」
「今から?それは無理!!」