相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 大切なものを隠したブリキ姫も、ブリキのおもちゃとともに中庭を後にするのであった。


 それから善明は矢子を取材をするため、矢子でいるであろう自分の教室へ。
 教室を見渡すと矢子は先週と変わらず、友人と楽しくおしゃべりをしている際中で中に入るのは勇気がいった。
 仕方ない待つか。
 と、思っていた瞬間、また矢子の友人が善明のところに。
「また矢子ちゃんに用?」
「あ、うん」
 矢子の友人は前と同じようにニヤニヤしながら矢子に伝え、あの時に比べ、妙に緊張した面持ち。
「な、何か用よしあ・・・佐野君」
「え、あ、うん。ちょっといい?」
「うん・・・」
 矢子の友人はまたもや嬉しそうに声をあげながら、二人が廊下に出るのを見届けるのであった。
 二人は教室から少し離れ、 普段あまり使用されない教室の前へ移動。
 あんなに濃い時間を過ごした二人だったが、改まってみるとなんだが緊張で言葉が出ない。