相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「外、外だ外。外〜〜〜!!!!!」
 小川はそれを何度も連呼して、妹であるブリキ姫を外に出そうとするが、ブリキ姫は出ようとしない。
「お兄ちゃん、私が誰と知り合おうが勝手でしょう!!!」
「わ、わかった。風綺は全て正しいです」
 すると善明は小川の言うとおり外に連れ出すため、ブリキ姫の手を掴んだ。
「行こうかブリキ姫」
「は、はい・・・」
「じゃあ部長、妹さんのことと取材はまあ何とかしますんで」
 こうして善明は部室を出ることに成功し、善明とブリキ姫の二人がいなくなるのを確認した小川はホッとした。
 タッタッタッタッ。
 行きあてもない善明は適当な場所まで走り、着いたその場所は前に矢子を取材しようとした中庭。
 ここまで来ればいいかな。
 そこでブリキ姫の手を離し、ブリキ姫の顔を見てみると明らかに様子がおかしいのがわかる。
「ブリキ姫、ブリキ姫。ブリキ姫!!」
「・・・・・」