晴れた翌週の平日。
 雲はうっすらと見えるが、青空いっぱいの空が広がった放課後。
 けれど、その爽快感を消すかのように小川の怒号が響いた。
「だ・か・ら、先週相沢矢子の取材をしていないんだろう?」
「いえ。ガーダーンでしたんですが・・・」
「ガーダーン?何だ?喫茶店か?」
「あ、いえ。霧の町・・・」
「霧の町?おいおい寝坊ているのか?そんなところあるはずないだろうが!!」
 今日の善明はいつもより歯切れが悪かった。
 何故なら矢子のインタビューをしてなかったことや、ガーダーンで撮った写真は霧でボヤけたり、似つかわしくないものが写っていたり。
 そのため、記事を書くことも写真で誤魔化すことも出来ず、それが小川の怒りを買った。
 しかもこの前の休日、恋人の村上と別れたらしく、イライラはいつも以上に増している。
「おい聞いているのか?」
「あ、はい」
「たく・・・」