相沢矢子の『旧約魔法』レポート

 う、う〜ん。
 背中からソワールが起きそうな声を出し、矢子は起こさないように善明に合図。
 と、善明は何気無しにソワールの手の爪を見ると、やたら尖っているような鋭い形をしていることに気づいた。
 善明は最初来た時の不安が今頃蘇りつつ、二人はガーダーン美術館に到着。
 ガチャ。
 二人は美術館に入って早々、別々の方向を向いていた。
「それじゃあソワールさんをお願いね」
「ああ。部屋で休ませたらすぐに行くから」
 一時そこで別れると、矢子はマーベラーが酔い潰れていた部屋に行ってみることに。
 ZZZZZ。
 マーベラーは相変わらず眠りについており、ステファンは微笑ましく見守っていた。
 まだ寝てるよこの人。
 そう思っていた矢子の存在に気づいたステファンは、矢子のところへ駆け寄った。
「おかえりなさい〜」
 ステファンはマーベラーを起こさないよう小声で迎え、矢子も同じように小声を。