相沢矢子の『旧約魔法』レポート

「はいこの目で。確かこんな風な旧約魔法じゃなかったですか?」
「へぇ?」
 善明の手には孫の手の形をした魔法の杖を持っていて、その杖をシュタインの身体に当てた。
 ピカ・・・バリーーーーーン!!
 雷は一瞬で身体を包み、シュタインは声をあげる間もなくすぐに気絶。
 ふうーーー、成功成功・・・危なかった〜。
 善明は持っていた魔法の杖をシュタインの身体から離し、またソワールの身の安全を確保した。
 矢子はシュタインが起きたりしないよう警戒しながら善明に近づいて行き、驚いた顔をしながら話しかけた。
「よ、善明・・・」
「いや〜焦ったよ」
「善明って旧約魔法使えたの?」
「いや、ステファンさんからもらった魔法の杖のおかげさ」
「え?それってやっぱり魔法の杖なの?」
「うん。それよりソワールさんをマーベラーさんとこに連れて行かないと。それからシュタインは・・・アレ?いないな・・・」